概要と背景

2025年には、5人に1人が認知症に…?

  • 厚生労働省「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」より
  • 高齢化の進展とともに日本でも認知症の患者が増えています。
    厚生労働省が2015年に発表した新オレンジプランによると、2012年では462万人の認知症の患者さんがおり、高齢者人口の15%とされていました。
    しかし、その後も増加の一途をたどり、2025年には高齢者人口の約20%、約700万人まで推移、高齢者の5人に1人が認知症になると推計されています。
    介護の負担も非常に大きくなることから社会的な課題にもなっています。
    今後、様々な医学の進歩や社会的な取り組みも進むことで、これらの患者さんの症状が改善し、介護の負担も軽減されるものと期待されます。

治療で改善できる認知症があります

  • iNPHは「治療で改善できる認知症」として知られています。
    iNPHが疑われる患者は現在37万人以上いることが分かっています。
    これはパーキンソン病の約2倍にあたります。

    アルツハイマー病からすると少ない割合ですが、決して無視できる患者数ではありません。ただし残念なことに、iNPHという病気は今まであまり注目されておらず、診断・治療されないままになっていることが多いのです。
    しかし、iNPHの治療は、わが国のように高齢化が急速に進む社会においては、本人の自立を高め、介護の軽減をはかるのに役立つと考えられています。
    iNPHの主な症状は歩行障害・認知症・尿失禁で、3徴候と呼ばれています。
    これらの症状の改善が得られて本人の自立が高まれば、介護の負担も軽減され、患者さんおよびご家族のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上を可能とします。
    なかには、劇的に症状が改善するケースもあります。
  • 【認知症の原因疾患:診療実態】2009年熊本大学神経精神科専門外来調査

格段の進歩をとげた診断技術医療機器

  • 格段の進歩をとげた診断技術と医療機器
  • 最近の脳神経外科医・脳神経内科医等の研究によってiNPH病態の解明がかなり進んできました。
    日本では2004年5月に「特発性正常圧水頭症診療ガイドライン」が諸外国に先駆けて発行、2011年に第2版が、2020年に第3版が刊行され、さらに安全な診療が追及されています。
    今日では診断技術や専門医療機器も格段の進歩をとげています。
    精度の高い診断による外科的治療(髄液シャント手術)によって、非常に高い割合で症状の改善が得られるようになってきました。
    今やiNPHの診断と治療は様々な医学的活動を通して、欧米をはじめ日本においても活発になってきています。

少しでも思い当たることがあれば、ぜひ一度受診してみてください。

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