iNPHという病気〜治療できる歩行障害・認知症・尿失禁があります〜 治療について シャントシステム

シャントシステムの概観

髄液シャント術において重要なものが、水頭症治療用シャントシステムです。過剰に溜まった脳脊髄液を流す管がシャントシステムです。基本的には、一本の管ですが、患者さんの状態によりシャントシステムが選択されたり、理想的なシステムを組み合わせます。

シャントシステムの構成する部品には以下のものがあります。

主な部品

【横断面】

  • 脳室カテーテル もしくは 腰椎カテーテル
    • 脳室もしくは腰椎クモ膜下腔から髄液を導くカテーテルです。
  • 脳室カテーテルはV-PシャントおよびV-Aシャントに必要です。
  • 腰椎カテーテルはL-Pシャントに必要です。
    これら髄液シャント術は過剰に溜まった脳脊髄液によって拡大していた脳室のサイズを縮小させることができ、そのおかげで障害されていた脳の機能を戻すことができます。
    このときに、歩行障害や認知症、尿失禁といったiNPHの症状が改善されるのです。
    中には、劇的に改善する患者さんもいらっしゃいます。
    本邦においては、脳室-腹腔シャント(V-Pシャント)の数が一番多いようです。
説明画像:脳室カテーテル

【バルブ(弁)】

バルブの作動圧以上の髄液圧力が生じたときにバルブが開放されて脳脊髄液がシャントカテーテル内を流れます。高圧バルブは作動圧が高くて流れ難いバルブ、低圧バルブは作動圧が低くて流れやすいバルブであるということが言えます。

  • 圧可変式バルブ
    • いくつかの圧に設定することができ、手術前・手術後に限らず患者の症状に合わせて設定圧の変更をすることができます。設定された圧以上になると作動します。
    • 診察ガイドラインでは細かく圧を設定できるタイプの圧可変式バルブの使用を推奨しています。
  • 固定圧バルブ
    • 基本的に高圧・中圧・低圧のバルブがあり、手術前の患者の状態にあわせて選択されます。
説明画像:バルブ(弁)

【遠位カテーテル】

  • 腹腔カテーテル
    • 腹腔に髄液を排出するカテーテルです。
  • 心房カテーテル
    • 右心房中に髄液を排出するカテーテルです。
    • 心房カテーテルはV-Aシャントに必要です。
説明画像:腹腔カテーテル

【その他の部品】

  • レザーバー
    • 貯留槽とも呼ばれ、カテーテルやバルブに一体型のものや、システムに追加することのできる単体のものがあります。
      多様な機能があり、シャントシステムのつまりを取り除くためにフラッシュしたり、注射針を使用して髄液を採取して検査することができます。
      主にシャント機能が正常に働くことに役目を持っています。
  • アンチサイフォンディバイス
    • 髄液シャント術後に患者が起き上がると、髄液が急激に流れすぎる現象(サイフォン現象)が起こることがあります。
      髄液の過剰流出は別の症状(合併症)をもたらします。
      この過剰流出を防ぐ役目の部品がアンチサイフォンディバイスです。
      患者さんの体型に左右されることもあり、状態に合わせて選択されます

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